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●長所 |
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体を傷つけることが少ないため,患者の肉体的負担が軽く,肝臓の機能が低下していたり,全身の状態が悪い患者でも治療が可能です。入院期間もほとんどが1日か数日ですみます。 |
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凍結療法は熱凝固法に似てはいますが,熱凝固法よりも大きな腫瘍を治療することが可能で,直径4〜5cm程度も一度で凍結できます。 |
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熱凝固法では,治療に際し,気体が発生するため,壊死した部分を超音波診断で見分けることが困難です。しかし,凍結療法は,しっかりと壊死した部分を確認できます。 |
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岐阜大学の長田真二准教授の研究では,「13人の患者で試験を開始し,2カ月後には,6人でがんに対する免疫機能が活性化し,肝臓内の凍結させなかった部分やリンパ節や腹膜へ転移していたがんも縮小した。」ということです。
また,「残り7人はがんに対する免疫は変化はなかったが凍結した部分でがん細胞は消失した。」そうです。
この結果に対し長田真二准教授は「細胞を焼くとがん細胞内のタンパク質が変性して免疫細胞が正しく反応できないが,凍結する方法ではこのタンパク質が変性せず,免疫機能が活発になるのでは。」とも話しています。 |
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●短所 |
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太い血管が腫瘍の近くにある場合,血液の熱によって腫瘍が十分に凍結しない場合があります。 |
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腫瘍の凍結時に,肝臓の表面も凍ってさけると,大量出血する可能性もあり,出血傾向のある患者には適用できません。 |
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現在,日本国内で実施している施設が少なく,保険の適用にもなっていません。また,治療成績のデータも十分ではありません。
海外のデータによれば,この治療法の患者の5年生存率は30〜50パーセントと報告されています。
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現在,この凍結療法は岐阜大学医学部附属病院の肝臓・胆のう・膵膵外科,慶応義塾大学病院の一般・消化器外科で実施しています。 |
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