肝障害度は,レベルA=軽度,レベルB=中等度,レベルC=重度の3段階に分けられます。これは下記の肝障害度5項目の検査値から,肝臓の障害度を推定したものです。
このレベルの中で,AかBでならばいくつかの治療法を選択できますが,Cになると治療法はかなり限られてしまいます。
A=慢性肝炎か軽度の肝硬変レベル
B=中等度の肝硬変レベル
C=重度の肝硬変レベル
下記の表は肝障害度判定分類表です。2項目以上が当てはまるとその肝障害度のレベルに分類されます。
また,2項目以上に該当した肝障害度が2ヵ所以上にある場合,高い方の肝障害度に分類されます。例えば肝障害度Bの項目が3項目該当していても,Cが2項目あれば肝障害度Cになります。
肝臓がん患者の肝障害度 |
項目 |
A(軽度) |
B(中等度) |
C(重度) |
腹水 |
ない |
治療効果あり |
治療効果少ない |
血清ビリルビン値(mg/dl) |
2.0未満 |
2.0〜3.0 |
3.0超 |
血清アルブミン値(g/dl) |
3.5超 |
3.0〜3.5 |
3.0未満 |
ICG R15(%) |
15未満 |
15〜40 |
40超 |
プロトロンビン活性値(%) |
80超 |
50〜80 |
50未満 |
臨床・病理原発性肝癌取扱い規約(第5版)より
上記の肝障害度のレベルABCに基づいた治療決定アルゴリズムが下記の表です。
表からも明らかなように,肝障害度,腫瘍数,腫瘍径によって治療法の選択肢も変わってきます。