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肝臓がんはＣ型肝炎やＢ型肝炎から発生する可能性が高いがんです。
そこで現在は地方自治体では通常の健康診断の項目に加え，４０歳以上の５年ごとに，また前年の検査で肝機能に異常な数値が見られた人に肝炎ウィルスのスクリーニング検査を実施しています。
スクリーニング検査とは，ふるい分け検査ともいい，まだ症状がでていない人に対して，病気の可能性を調べるための簡単な検査です。
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Ｂ型肝炎ウィルスの検査にはいくつか種類があります。
◆ＨＢｓ抗原検査
血液から，ＨＢウィルスが持つＨＢｓ抗原タンパクの有無を調べる検査です。この検査は地方自治体のスクリーニング検査でも行われています。
◆ＨＢｓ抗体検査
血液からウィルスを攻撃する抗体を調べます。この抗体検査で陽性となった場合，すでに過去にＨＢウィルスに感染し，治癒している可能性が高いということを意味します。
◆ＨＢｃ抗体検査
陽性であればHBウィルスに感染したことを示しています。この検査で陽性の場合，HBs抗原検査でも多くは陽性ですが，HBs抗原検査が陰性であってもHBc抗体陽性であればHBV感染の場合もあります。
◆ＨＢe抗原検査
陽性であれば，HBウィルスの活動性が高く，血液中にHBウィルス量が多い状態で，感染力が強いことを示します
◆ＨＢe抗体検査
陽性であればHBウイルスの量や活動性が低下していることを示します。無症候性HBウィルスキャリアやB型慢性肝炎の非活動期の可能性があります。
◆ＨＢＶ−DNA検査
血液中にHBウィルスのDNAが存在するか調査します。 陽性の場合，B型肝炎，無症候性HBVキャリアである可能性があります。
また，ＤＮＡの数が多い時は，体内に多数のウィルスが存在し，肝炎が悪化する可能性が高いことを意味します。
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現在では，血液中のＨＣＶ抗体を測定すること(HCV抗体検査）と，HCVのコア抗原を検出すること（HCV抗原検査），さらに核酸増幅検査によりHCVのＲＮＡの遺伝子を検出すること，の３つの方法を組み合わせて判断する方法が一般的です。
◆ＨＣＶ抗体検査
Ｃ型肝炎ウイルスに感染している可能性のある人を見つけ出す検査で，血液の中にウイルスに対する抗体（ＨＣＶ抗体）が存在しているか，それはどのくらいの量かを調べます。
検査結果で陽性の場合，Ｃ型肝炎ウイルスに感染したことがあるということですが，現在ウイルスに感染しているとはかぎりません。抗体値が少ない場合は治癒している可能性が高いとされます。
しかし，血液中の抗体が多いときには，いまも感染している可能性が高いといえます。
また，その中間の場合は判断が難しいため，核酸増幅検査を行います。
◆ＨＣＶ核酸増幅検査
血液中のＲＮＡ遺伝子を試験管内で約1億倍に増幅し，ウィルスのＲＮＡが存在するかどうかを確認する検査です。
ＨＣＶ抗体検査で，抗体値が中間を示した人に対して行われ，キャリアなのか治癒しているかの判断ができます。
◆ＨＣＶ核酸増幅検査
血液中にウィルスの遺伝子をとりまくタンパク（コア抗原）が存在するかどうかを調べる検査です。
陽性は感染しているといえますが，ウィルスの量が少ないと陰性を示します。
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